by chance? or by design?

赤ちゃんの頭脳を「宇宙で最も高性能の学習装置」と表現している人がいます。
赤ちゃんは生まれた時から周囲の光景,音,刺激をすべて吸収する用意をすでに整えています。
そのうえ,赤ちゃんは周りの人―その顔,声,触れられた時の感触など―に興味を持ちます。
「赤ちゃん時代」という本の中でペネロープ・リーチは、
「赤ちゃんの興味をさそう光景,注意を引きつけておく音,与えると喜ぶ感覚刺激について多くの研究がなされてきた。
それらはみな,世話をしてくれる大人から普通に得られるものである」。
と書いています。
ですから,親は子どもの発育において欠かせない役割を果たすのです。



親も小児科医も,新生児が聴くだけで言語を習得できることに驚嘆します。
ネパール語の学習を二か月ほど前から始めた私にとって、赤ちゃんの柔軟な脳がほんとうにうらやましいです!
研究者たちは,赤ちゃんが生後数日で,母親の声に慣れてほかの人より母親の声を好むようになることを知りました。
さらに,数週間で親の母語と他の言語との違いを聞き分けます。
また,数か月で言葉の切れ目が分かり,普通の話し言葉と意味をなさない音声とを区別できることも知られています。



赤ちゃんの話し方。
普通は,意味をなさない音声である喃語を発します。これは無意味な雑音などではありません。
リーズ・エリオット博士は「どうなっているか―5歳までの脳と心の変化」という本の中で,話す行為について
「絶妙な運動機能であり,唇,舌,口蓋,喉頭を制御する多数の筋肉を瞬時に協働させる必要がある。
喃語は,赤ちゃんが人の注意を引く楽しい方法に過ぎないと思えるかもしれないが,話すという複雑な動作の予行演習としての重要な意味も持っている」。
と説明しています。
赤ちゃんの発する言葉に,親も生き生きとした話し方でこたえます。
これも有用な意味を持ちます。親の温かで愛情たっぷりの言葉に刺激され,赤ちゃんも反応します。
この双方向のやり取りによって会話の基本を学び,その技術を生涯用います。




人、それは by chance or by design?



それで、高い道徳が求められます。
「自分の生き方は自分で決める。行動の結果を刈り取るのは自分なのだから」。
そんなはずはありません。
他の人に影響します。
最も愛し守るべき人に対しても。
それで高い道徳規準を学び、固守しなければならないのです。

豊田