by chance? or by design?

今週は先週に引き続き、”自然選択†が新たな「種」を生み出すかという点。

ガラパゴス諸島ダーウィンが研究した13種のフィンチについて考えてみます。

1970年代に,プリンストン大学のピーター・R・グラントとB・ローズマリー・グラントの率いる研究チームがこれらのフィンチの研究を始めました。
そして,ガラパゴスで干ばつが1年間続いた後に,大きめのくちばしを持つフィンチのほうが,そうでないものより生存率が高いことを発見しました。
くちばしの大きさと形は13種のフィンチを見分ける主要な特徴なので,これは大発見であるとみなされました。
NAS(全米化学アカデミー)のパンフレットにはこうあります。
「グラント夫妻は,ガラパゴスで干ばつが10年に一度起きるとすれば,わずか200年ほどで新種のフィンチが生まれるだろう,と推測した」。

しかし、NASのパンフレットは,ある事実については述べていません。
それは,干ばつの後やがて,くちばしの小さいフィンチのほうが再び多くなったという事実です。
研究者たちは,ガラパゴスの気象の変化によって1年間はくちばしの長いほうが多くなったが,その後は小さなほうが多くなった,ということに気づきました。
また,“種”の違うフィンチが交配すること,そして生まれた子は親より生存率が高いことが分かり,そうした交配が続くなら二つの“種”が一つに融合するかもしれない,と結論しました。

では,自然選択によって全く新しい種が本当にできるのでしょうか。
進化生物学者のジョージ・クリストファー・ウィリアムズは数十年前に,自然選択にそのような力があるかどうか疑わしい,と考えるようになりました。
1999年に進化論者のジェフリー・H・シュワルツは,自然選択によって生存条件の変化に種が適応することはあっても,新しいものが生み出されることはない,と書きました。

実際,ダーウィンフィンチは“新しいもの”になっているわけではありません。
フィンチはフィンチのままです。
そして,“種”の違うフィンチが交配しているという事実からすると,一部の進化論者による”種”の「定義方法」について疑問が生じます。
また,フィンチをめぐるこの事例は,一流の学術団体が挙げる証拠も偏っていることがある,という事実を明らかにしています。

来週からは
「化石記録」は大進化を裏づけているか?
という点を考えます。

豊田