by chance? or by design?

今回の by chance? or by design? は、ハンティングをする鳥について。


エジプトのナイル・デルタでよく見られるアオサギは,鋭いくちばしを槍のように用いて魚を突き刺します。
同時に2匹の魚を刺すことさえでき,1日に500㌘ほどの魚を捕らえることもあります。


一般に,サギ科の鳥はこっそり近づいて獲物を狙います。
浅瀬を抜き足差し足で進むこともあれば,攻撃の態勢を整えてじっと待つこともあります。
魚が射程距離に入ると,水中に頭を突き入れてくちばしで捕らえます。


ササゴイは人間がパンくずを池の魚にやるのをまねるようです。
利口なこの鳥は,なんとパンくずを使って魚をおびき寄せます。
カリブ海コサギも,パンをえさにして魚をおびき寄せますが、えさを使わずに魚を取ることさえあります。
使うのは黄色い足です。浅瀬に片足で立ったまま,もう一方の足を水中で小刻みに振り,好奇心を持つ魚の注意を引きます。


飛行機が着陸する寸前に着陸を取りやめて、再び上昇することをタッチ&ゴーといいいますが、ミサゴが用いるのは,つかんですぐ飛び去る“キャッチ・アンド・ゴー”とも呼ぶべき方法です。
水上を滑空しながら,水面近くを泳ぐ魚を探します。
獲物を見つけると,翼をたたんで急降下し,必要なら降下の角度も調整しながら,かぎ爪で魚をつかみ取ります。
この離れ業をやってのけるには,優れた視力と完璧なタイミングを見計らうことが必要です。

ミサゴと同じ科のサンショクワシは,かぎ爪で捕らえた魚が重すぎて飛べないということもあります。
魚の重さが2㌔半を超える場合があるのです。
そういう時はどうするのでしょうか。水上で翼をバタバタさせて岸にたどり着くワシの様子が,目撃されています。


カツオドリも魚を取るために水中に飛び込みますが,降下する角度は垂直です。
この鳥は小さな群れを作って飛びながら,水面近くの魚群を探します。
銀色の魚が集まっている海面は,空から見ると,藍色ではなく薄緑に見えます。
カツオドリはこの色の変化に気づくと,行動を開始し、魚群の位置を突き止めると,この鳥はまるで矢のように,時速100㌔近くの速さで水中に突っ込みます。


サギとは異なり,カツオドリは水中で魚を突き刺すわけではありません。
飛び込む時の勢いで,この鳥は数メートルの深さまで潜ります。
そして水面に向かって泳ぎながら,魚を丸ごと呑み込みます。


アジサシも飛び込むのが上手ですが,さっと降下し,水面近くの空中で静止します。アジサシはカツオドリのような派手な飛び込みはせず,高い飛行技術で漁をします。アジサシは,水面から魚をすくい取ります。水中で魚を追うことは,ごくまれです。


ペリカンは大きなくちばしのために不格好に見えるかもしれませんが,飛ぶ能力にたけ,漁の名手です。カッショクペリカンは普通は水中に飛び込んで魚を取りますが,漁師が網をたぐり寄せる際に獲物を失敬することもあります。とはいえ,ペリカンが本領を発揮するのは集団で魚を捕らえる時です。
ペリカンはもともと群れを作る習性があります。
際立っているのは,漁を行なう際のチームワークです。
大抵はペリカンの群れが水面に降りてきて,半円形に並びます。
そして魚群を取り巻きながらゆっくり進み浅瀬に追い込みます。それとともに,皆が翼を広げて一斉に頭を水中に沈め,くちばしで魚をすくい取るのです。



パソコンで図面を書く仕事をしていると、パソコンの性能について悩むことが時々あります。
パソコンの能力は、その演算速度にかかっています。
図面の内容によっては、処理に時間がかかります。
内容の濃い仕事を処理するには、高性能の”CPU"が必要です。

高速で飛ぶ鳥が、泳ぐ魚めがけて水中にダイビングして補食するという仕事を行なうには、いったいどれほどの”CPU"が必要なのだろうか?と時々考えます。


豊田